運動とエネルギー
ご飯をしっかり食べよう! |
アスリート、身体づくりのためトレーニングにはげむ人のみならず、減量したい人にとっても |
ご飯をしっかり食べる必要があります。 |
筋肉へのエネルギー供給方法は、運動形態により異なりますが、どの場合も糖質が必要です。 |
それでは、運動形態ごとにエネルギー供給方法を見ていきましょう。 |
1.有酸素運動 : 長時間継続が可能な運動の場合 |
<わかりやすい例> |
マラソン、ジョギング、ウォーキング、エアロビクスおよび会社での仕事や家事 |
<エネルギー供給方法> |
糖質と脂肪を燃焼(酸化)してエネルギーを供給するため、酸化系といいます。 |
2.無酸素運動 : 短時間(1〜3分)しか継続できない運動の場合 |
<わかりやすい例> |
200m〜800m競走 |
<エネルギー供給方法> |
糖質を分解することでエネルギーを供給するため、解糖系といいます。 |
3.瞬発的に力を出し切る運動の場合 |
<わかりやすい例> |
100m競争のスタートダッシュ、砲丸投げ 等 |
<エネルギー供給方法> |
クレアチンリン酸(PCr)がエネルギーを供給するためATP−CP系といいます。 |
休息中のエネルギー供給に余裕のあるときに、そのエネルギーでPCrを再合成し、 |
次回の運動に備えます。休息中のエネルギー供給は酸化系により行われます。 |
ジムで行うトレーニングの場合は、次のようにイメージしてください。 |
(1)ベンチプレス等の最高記録に挑戦するときには、ATP−CP系が主となる。 |
(2)セットトレーニングを行うときには、解糖系によりエネルギーが供給される。 |
脂肪を燃焼させるのために糖質が必要というのは意外に思われるかもしれません。 |
しかし、筋肉に貯えられている糖質(グリコーゲン)が枯渇すると、疲労困憊となり、運動が |
継続できなくなります。 |
したがって、運動よって脂肪を燃焼させるためには、ご飯を食べる必要があります。 |
効果的な脂肪の燃焼方法については別の機会に紹介します。 |
もう少し詳しく知りたい方は、下の 【解説:1】 【解説:2】 をクリックしてください。 |
【解説:1】 |
エネルギー供給機構を運動生理学的に解説します。 <内容> 運動種目・継続時間と ”ATP−CP系” ”解糖系” ”酸化系” の分担 |
【解説:2】 |
”解糖系” ”酸化系” のメカニズムを運動生理学的に解説します。 <内容> 糖質・脂質からATPを生産する方法および糖質・脂質の利用率の時間的推移 |
補足になりますが、中枢神経系のエネルギーは糖質のみですので、糖質が不足すると次の |
ような問題が起こります。 |
(1)脳の知覚・判断・運動の司令系統がうまく働かなくなります。 |
結果として、判断力の低下や疲労感がおこり、運動の継続を阻害します。 |
(2)血糖値を上げるために、たん白質から糖質を合成するため筋肉を破壊します。 |
肉や魚を食べよう! |
トレーニングをする人なら、肉や魚はたん白源であり筋肉の材料となることくらいは知っている |
はずですので、今さら肉や魚を食べることを説明するまでもないかもしれません。 |
しかし、ここではエネルギー源としての肉や魚を考えて見ましょう。 |
先に、解糖系や酸化系では糖質や脂肪が消費されると書きましたが、ATP−CP系のPCr |
つまりクレアチンリン酸はどこからくるのかという話です。 |
瞬発的な動きに対応し、瞬時に筋肉にエネルギーを供給できるよう、PCrは筋肉中にあります。 |
ということは、動物や魚の食肉部分に含まれていると言うことになります。 |
肉や魚100gにつき約200mg含まれていると言われています。 |
こういうことにも思いをめぐらせて、肉や魚を食べてみてはいかがでしょうか? |
牛乳・鶏卵や大豆(豆腐を含む)は良質なたん白源ですが、PCrの補給という面では不十分 |
といえます。同様に、プロテインパウダーに依存するのも問題があることがわかります。 |
もう少し詳しく知りたい方は、下の【解説:3】 をクリックしてください。 |
【解説:3】 |
”ATC−CP”系のメカニズムについて運動生理学的に解説します。 |
<内容> PCrからATPを生産する過程、および、PCrの再生方法 |